今週は車の電装系をいじりました。
車種は限定ではなく作業の行い方や考え方の参考を記載しておきます。
アイドリングストップ機能の常時ONの無効化
昨今の日本車はアイドリングストップという機能があるのですが毎回機能をOFFにするのが非常に面倒です。
アイドリングストップとは信号待ちなどで車が停止中は自動でエンジンをストップするという機能です。
機能として存在するのは良いのですがエンジンを始動するたび自動でONになるので毎回OFFにする必要があります。
(アイストのON/OFFスイッチはメーカの最後の良心だと思ってます)
同じような変な機能として少し前までは走行中に一切ナビ操作が出来ないとかTVが見れない機能がありました。
(最近ではナビ操作もTVもほぼできるようになっています。)
トヨタなどではアイドリングストップ機能が存在しない車種も販売され始めているのでもう数年すればこの機能も無くなることでしょう。
レーダー探知機の電源経路の見直し
現在までOBD2(情報診断)コネクタから分岐させていたがOBD2経由でエンジン回転数などの情報をレーダー探知機で表示させる必要性も無いと思い電源のみでの接続に変えようと思っていた。
作業前に
私の基本的な考えは車側の配線はカットなどせず現状復旧が行えるように車側の配線を触る時はエレクトロタップを利用するようにしています。
出来上がっているものは極力壊さないが基本的な考え方です。
何事もすぐに現状に戻せることが大事です。(コンピューター業界では常識なので)
さて必要なものは
・アイドリングストップキャンセラー(各車種ごとに販売されている)
私の車種はシビックのFL1(エンジン形式)なので専用の物を購入しました。
(実売価格は¥2,500程度)
私はネット上で「FL1 アイドリングストップキャンセラー」で検索しました。
エンジン形式名は車検証に記載があるので確認しておきましょう。
・ACCまたはIG(イグニッション)電源を取得するための部品(エレクトロタップ・ヒューズ分岐型・のれん分けハーネスなどなど)
私の車種は市販されているのれん分けハーネスが存在したので今回はそれを使用した。
車種によっては存在しないのでWEBなどで情報収集をする必要があります。
「FL1(エンジン形式名) 電源分岐」などのワードで検索すると参考情報が見つかります。
・電源ワイヤーケーブル
電源ワイヤーケーブルの太さは接続する機器の容量をもとに算出します。
今後必要になった時の為に電源取り出しを想定し中間クラスの0.5sqをチョイスしました。
12V60W以下であれば0.5sqサイズが必要です。
(ワット数の目安は60Wあればノート型コンピュータ(45W)の充電もできます)
・接続コネクタ(平型端子)
車の電装いじりではお馴染みの端子セットです。
スピーカー用と電源用があるので間違えないようにしましょう。
また対応するワット数にも注意が必要です。
・内装外し
内装部品を外すのに専用のヘラ状の工具です。
隙間に差し込みテコの原理で内装を取り外す必要があります。
マイナスドライバーなどでも可能ですが高確率で内装に傷が付くため車いじりでは必須です。高いものではないので買いましょう。
細かい部品で必要なものは車種によって異なりますので各自で自分の車種(エンジン形式)・年式での調査が事前に必要になります。
まずは配線の経路設計を行いましょう。
・接続する機器の設置場所
・プラス電源までの経路
・アースの経路・アース接続個所・接続するナットのサイズ
・今後の機器追加での電源やアースワイヤーを共用することが発生するか?
・設置した機器を今後交換することもあるか?
などを考慮すれば必要なものが見えてきます。
今回は久しぶりの電装系の作業なので最寄りの自動車用品店で色々仕入れてきました。
端子などの部品はサイズを間違えて購入しても在庫で置いておけば必ずいつか使えるので慌てて返品する必要はないと個人的に思っています。
ワイヤーハーネスを今回は作成します。
ケーブル類は同一経路はひとまとまりにして配線をスッキリさせます。
またケーブル同士の接続は端子やコネクタで行います。
また曲げが頻繁に起きそうな個所や保護チューブの隙間は熱収縮チューブで補強をしておきます。
いきなりですが完成品の例
(この後テプラなどでワイヤーに接続機器の示名条片を付けます)
複数のケーブルをまとめるには私は熱収縮チューブで配線をまとめました。
熱収縮チューブなどに長いケーブルを通すコツは途中でケーブルが引っかかて通らないのでケーブルにグリスを塗って通します。
私はシリコングリスをケーブルに塗布しました。
次はのれん分けハーネスからプラス用にACC電源が2系統必要なのでさらにのれん分けを行いレーダー探知機電源とアイドリングストップキャンセラーの電源を確保しました。
プラス(ACC電源)はのれん分けハーネスのACC電源配線から取り出しエンジンスタート時に電源ONになるようにします。
マイナス(アース)は今回はボディーアースになるのでボディーと接触されているネジを探します。
(旧車などの車種によってはプラスアースも存在するので注意が必要です)
アース接続に関してのコツ
私の車種ではアクセルペダルの右側にちょうど良さそうなボルト(M6サイズ)があったのでそちらをアースにすることにしました。(ナットのサイズはM6かM8が主流です。)
ねずみ色は防蝕亜鉛の色でサビなどを防止するため塗布されていましたが電流が伝導するので問題ありませんでした。
防蝕亜鉛はサビや素材が違う金属同士を接続すると発生するガルバリウム腐食の対策として塗布されています。
このあたりのボルトが長くソケットは入らないので使えない(ナットまで届かない)です。なのでスパナを利用して外そうとしますが非常に硬く力が必要です。
またナットの角がかけてナメってしまう可能性があります。
また場所的にも作業しにくいので無理に外すことを考えずに逆に長いボルトである事を利用しナットとワッシャーを追加すれば硬いナットを外さずに済みます。
(作業基本の現状維持の考え)
ナットとワッシャーはホームセンターで購入可能です。
金物売り場コーナーにあり安い物なのでM6とM8サイズを購入しましょう。
ケーブル長の計測
次は機器からプラス電源とマイナス(アース)接続箇所までの必要な長さを計りケーブルの切断予定個所にマスキングテープで目印を付けます。
この時にキッチリした長さはNGですこし余裕を取ります。
取り回しやコネクタ接続などでケーブル長が足りない事態を防ぐためです。
ケーブルの加工
加工作業は部屋で作業を行います。
車内や車付近では雑な作業になりがちで多数の工具・コンセントなど必要になることもあるので整理された作業スペースなどがある場所で行う事をお勧めします。
今回は
・レーダー探知機電源
・アイドリングストップキャンセラーの電源
の2系統が必要なのでケーブルを加工します。
切り出したケーブルに接続端子(カプラー)を付けます。
私は接続不良があると嫌なので半田で端子に接合しています。
端子には曲げる場所が2か所あります。
1つ目は配線接続の固定
2つ目は被覆固定
になります。
このような感じで端子にワイヤーを接続します。
また事前に保護キャップを付けることも忘れないようにしましょう。
この平型端子は抜き差しを行うとケーブルに負荷がかかるので抜き差し頻度が多そうな個所はカプラータイプの端子を利用します。
作成方法はパッケージ裏に記載されています。
レーダー探知機の電源加工
レーダー探知機は買い替えの可能性もあるので取り外すことも考慮しカプラー接続で交換できるようにしました。
カプラー取付参考図
これらを使いこなしてレーダー探知機の電源ワイヤーケーブルは完成です。
のれん分けハーネス部分
(のれん分けハーネスの付属していた端子が大きいので通常サイズに付け替え)
2系統必要なのでさらにのれん分けしてあります。
レーダー探知機の電源側完成図
(カプラー接続にしてレーダー探知機の機種交換時に取り外し可能にしてあります)
このようにしておけばレーダー探知機を買い換えた時に配線が楽になります。
アイドリングストップキャンセラーの電源周り
アイドリングストップキャンセラーは取り替えることは無いですがコンソールボックスまでワイヤーを配線するので今後電源取り出しが必要になった場合を想定しカプラー接続にしました。
またカプラー接続できるのれん分けハーネスを作っておけば今後のセンターコンソール付近で機器増設する時に楽ができます。
そのような観点からメインハーネスのワイヤーケーブルは若干太い物を使用しています。
アイドリングストップキャンセラー本体の配線は3本出ているのでプラスとマイナスは熱収縮チューブで1本にまとめました。
アイドリングストップの信号線側は車のスイッチ付近から分岐するのでエレクトロタップでの接続になります。
(マニュアルに従いコンソール内にあるスイッチの水色の配線を茶色の配線に接続します)
また電源配線が短い為ワイヤーケーブルで延長する必要があったのでカプラーを接続しました。
反対側はアースとのれん分けハーネスに接続するのでこのようなワイヤーハーネスになりました。(この後テプラで示名条片を貼り付け)
これらを車内に配線して作業は完了です。
無事レーダー探知機も機能しアイドリングストップ機能もエンジンスタート後およそ15秒ほどで無効になるようになりました。
動作動画(手ぶれはご勘弁)
(レーダー探知機の起動と動画の19秒あたりでインパネ左下に自動で丸AOFFのマークが表示されアイスト機能停止を確認しました)
後は配線を隠して固定し作業完了です。
これで運転開始時のアイスト機能OFFという儀式が削減できました。
あぁ腰(背中)が痛い・・・
オマケ作業
日本仕様のシビックFL1はUSB充電用ポートが1個なので追加しました。
ショート(短い)タイプで360度首振り出来るので便利になりました。
グシっと取り付けて・・・
クルっと回して・・・
完了!(笑)